「ともだちんち」について
―あかいしあさみ
家に居場所がない人は、どこに行ったらいいの?
学校や職場にも居場所がない人は?
公園やサークルにもいられない人は?
追い出すのは簡単だけど、
追い出された人が最後にたどりつく場所ってどこ?
―これは、私が2023年の始めに、
泣きながら、夫に問いかけた言葉です。
仕事も人間関係もコミュニティも続けられず、
逃げ出したり追い出されたりした私の、
「もう無理」
という心の叫びでした。
生きるのをあきらめるか、
悪いことをして捕まるしかない。
社会に居場所がない人は
社会からいなくなるしかない。
と、本気で思いました。
ゲーム好きの居場所づくりとしてスタート
2019年より、
ゲームを通して人と人をつなぐ「あおもりでぷよぷよ!あおぷよ!!」を開催しました。
コンセプトは「ともだちの家みたいにワイワイ楽しく」!
・青森県の人口減少問題に対して一助になればと思ったこと
・ゲームセンターが少なくなり、ゲーマーの居場所がなくなってきていたこと
・eスポーツが流行りだしていたこと
・私自身、小さい時からぷよぷよを遊んでいて大好きだったこと
これらが開催のきっかけでした。
2023年12月までに青森市、弘前市、八戸市で全8回のイベントを開催し、
プレイヤー、観覧者合わせて毎回20人弱、
感染症の流行が収まり始めたころでも、常に10人ほどが集まるイベントとなりました。
参加者アンケートも90%以上が「とても楽しかった」または「楽しかった」と回答。
自由記述では、
「ゆるゆるイベントでとても良かった」
「親戚の集まりみたいでわいわい楽しめた」
など、まったりとした雰囲気を感じられる結果になっています。
そんな「あおぷよ!!」ですが、
続けられなかった時期がありました。
直面した生きづらさ
ちょうど感染症が流行りだしたので、
「活動をしばらくお休みします」と言っても、
だれもが「今は自粛ムードだもんね」と思ってくれた時期。
1回目のあおぷよ!!を開催した時にはまだ3歳だった娘が
年中さんになったころから、私の生活は崩れていきました。
▲私と当時3歳の娘
・幼稚園に遅刻ばかりする
・子どもの持ち物を毎日忘れてしまう
・幼稚園からのお手紙が読めない(理解できない)
・仕事が手につかない
・家事が中途半端
・上だけ着替えて下はパンツのまま料理をしはじめる
・子どもを車からおろし忘れる
優しい幼稚園の先生たちのおかげでなんとかなりましたが、
小学生になったらこうもいきません。
幼稚園のスケジュールについていけないのなら、
小学校のスケジュールにはもっとついていけないのでは?
焦った私はSNSで助けを求めました。
「このままでは、あかいし家が破綻する!!」
すると、すぐにメッセージが届きました。
『この病院に行ってみて』
いただいた病院の情報を読んで、思い当たる節がありました。
自分でも、そうかもしれないと思いながら、
でも、「あなたはただの怠け者です」と言われるのが怖くて
行けなかった病院。
ドキドキしながら行くと、
女医先生が明るく笑って言いました。
『あなた、特性のかたまりだね~!発達障害だね!』
―ADHD。注意欠陥障害の診断を受けました。
これからどうすれば?
発達障害と言われて、正直ほっとしました。
前述のように、ただの怠け者ではなかったからです。
でも、
特性なのはわかったけれど、
じゃぁどうすればいいんだろう?
答えを求め、
私は調べたり、試したり、失敗したりを繰り返しましたが、
結局生活はよくなりませんでした。
本に載ってる情報も、インターネットに溢れている情報も、
「それができたら苦労しない」
「それができないから困っている」
というものばかりでした。
やっぱり、
生きるのをあきらめるか、
牢屋で暮らすほうが楽なんだ。
それでも、生きている
でも、私は今も生きていますし、
捕まるようなこともしていません。
なぜだろう?
そう不思議に思った時、
浮かんだのはともだちの顔でした。
『いっしょにあそぼ』
産後うつで孤独になっていた時も、
そう言って遊びに来てくれたともだち。
出かけた先でパニックになって
「もう帰りたい」と泣き叫んでも、
『またあそぼうね』
と言って、本当にまた誘ってくれました。
ゲームをして、映画を見て、おやつを食べて、ただ笑う。
そうやって遊んでいるうちに、
今まで誰にも頼れず、相談もできなかったのに、
困りごとや愚痴がポロポロとこぼれ出てきました。
状況が変わり始めた
私が困りごとを話せるようになると、
『それ、解決できる人がいるよ』
と、情報が集まるようになりました。
誰も私を助けてくれないと思っていましたが、
たくさんの支援があることを知りました。
ともだちの紹介でまた新しいともだちができ、
みなさんのおかげで私は少しずつ
「べき」「ねばならない」という思考を手放していき、
また「あおぷよ!!」を再開できることになりました。
でも、私はたまたま動けたから助かったけれど、
そうじゃない人は?
誰にも頼れなくて、
調べることもできない人はどうなっちゃうの?
「ともだちんち」を作ろう
生きるのをあきらめてほしくない。
支援の手はたくさんある。
ここに来たらなんとかなる、そんな場所を作ろう。
「ひとりぼっちじゃないよ」
って言える場所を作ろう。
私がともだちになろう。
リラックスできる空間を作ろう。
「ともだちんちを作ろう!」
動き出したばかり
「私は場所を作ります」
そう宣言したのが、2023年の9月でした。
発達障害のあるなしに関わらず、
「生きづらい」「困っている」人の居場所として、情報が集まる場所として、
「ここに来たらなんとかなる」と思ってもらえる、
だれもひとりぼっちにしない場所になれるよう、準備をしています。
(青森市の東側にオープンできたらいいな)
あおぷよ!!は「移動するともだちんち」として活動を続けていきます。
おわりに
今(2024年1月)は、
「青森にもこんな人がいるんだ!」
「こういう働き方もあるんだ!」
を私が知りたくて、たくさんの人に声をかけて、お話を聞かせてもらっています。
同時に経営に関するお勉強も始めました。
やるからには、長く続く活動にしたいからです。
「カーディガンに穴あいたんだよね」
「今ユニクロでセールやってるよ、一緒に行く?」
困っていることも、解決策も、
これくらいの気軽さで話したい。
最後まで読んでくれたあなたも、私とともだちになってくれませんか?
一緒に遊びましょう!
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